21 February 2014
「大河内记念技术赏」を受赏
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住友电気工业株式会社
当社は、このたび「ナノ多結晶ダイヤモンド合成技術および応用製品開発」に関して、第60回(平成25年度)大河内賞において、「大河内记念技术赏」を受赏しました。
大河内赏は、故大河内正敏工学博士の功绩を记念して、大河内记念会が毎年、日本の生产工学?高度生产技术における顕着な业绩を表彰するもので、日本で最も権威のある赏のひとつです。赠赏式は、3月26日(水)に东京?丸の内の日本工业倶楽部会馆にて行われます。
1.受赏内容
第60回大河内赏 「大河内记念技术赏」
受賞業績: ナノ多結晶ダイヤモンド合成技術及び応用製品開発
2.受赏者
角谷 均 アドバンストマテリアル研究所 技师长/フェロー
&苍产蝉辫;无机材料研究部 グループ长
原野 佳津子 アドバンストマテリアル研究所 无机材料研究部 主干
佐藤 武 アドバンストマテリアル研究所 无机材料研究部 主席
3.开発の背景
切削加工や成形加工に用いられるダイヤモンド工具の素材としては、従来、単结晶ダイヤモンドや焼结ダイヤモンドが用いられていましたが、単结晶ダイヤモンドは结晶方位に依存する偏摩耗や劈开性*1のために工具寿命が短く、焼结ダイヤモンドは含まれる结合材(バインダー)の影响で机械特性や耐热性が低下して工具损伤が起こりやすいという欠点がありました。また、単结晶ダイヤモンドの製造は结晶成长によるため数十时间の长时间を要し、コスト?生产性の课题もありました。
当社は、ダイヤモンド材料のこれらの问题点を一扫する画期的なニューダイヤモンド「ナノ多结晶ダイヤモンド」を开発しました。これは、15骋笔补以上の超々高圧、2000℃を超える高温下で、黒铅材料からの直接変换により得られる非常に緻密な组织を备えたダイヤモンド単相の多结晶体です。この新材料は単结晶を凌驾する硬さを持つうえに极めて强靭で、劈开性や机械特性の异方性がなく、耐热性も高い特长を备えた工具用素材であり、理想的な新硬质材料です。当社は一昨年、これを刃先素材とした切削工具「スミダイヤ?バインダレス」を製品化しました。この製品は超硬合金や硬脆材料*2の切削加工など、従来困难であった加工が可能で大幅な高能率化も図れる画期的な工具製品として大きく注目されています。
4.受赏技术の概要
本业绩は、このナノ多结晶ダイヤモンドの実用化実现のベースとなった超々高圧製造技术や新製品加工技术などの高度で斩新な生产技术开発に関するものです。15骋笔补以上、2000℃以上の超々高圧?高温下で、黒铅を直接変换して得られるナノ多结晶ダイヤモンドの合成技术を开発し、精密刃先加工技术と组み合わせた结果、超硬合金や超硬质脆性材料の精密切削加工を可能とするとともに、加工时间の大幅な短缩を実现しました。
ナノ多结晶ダイヤモンドの合成技术では、超々高圧金型素材の开発、新加圧方式の导入、高精度圧力温度制御技术の确立等により、従来のダイヤモンド製造条件の3倍を超える超々高圧(15骋笔补以上)の工业化に世界で初めて成功しました。黒铅を直接変换して得られるナノ多结晶ダイヤモンドの合成により、従来の単结晶ダイヤモンド製造に比べて大幅な短时间化を実现しました。
製品加工技术では、特殊な加工方法を开発して、ナノ多结晶ダイヤモンド工具の刃先加工の高精度?高速化を実现し、超精密?微细加工用途として製品化に成功しました。
これらの技術開発により、ナノ多結晶ダイヤモンド合成の量産技術を世界で初めて開発し、精密刃先加工技術を組み合わせて、超硬合金や超硬質脆性材料の精密切削加工が可能な工具を製品化しました。また、この製品は従来のダイヤモンド材料では対応できなかった新規用途への展開、工学?電子?自动车等の製造技術の向上や製造コストの低減にも寄与し、今後、産業界や社会への大きな貢献が期待できます。
*1&苍产蝉辫;劈开(へきかい):単结晶に特有の结晶の一定方向に沿った割れのこと
*2&苍产蝉辫;硬脆材料(こうぜいざいりょう):硬くてもろい材料のこと